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​​理事長所信

「輪島のJCは面白い」

「輪島のJayceeは面白い」

「私達の住む輪島は面白い」

2022年度 一般社団法人輪島青年会議所

理事長所信

一般社団法人 輪島青年会議所

第58代理事長  川端 真也


【はじめに】

 新型コロナウィルス感染拡大の影響により世界中の経済は大きな打撃を受け、私達の住む輪島においても飲食業や観光業を始めとした多くの産業が衰退しています。また、働き方や人付き合いを始めとした生活様式にも大きな変化が起こり、ヒトの生き方が変わるほどの大きな影響を与え続けています。明日の生活がどうなるか解からない混沌とした現代、多くのイベント等が自粛を求められ中止に追い込まれていますが、私達もこのまま運動を止めてしまって良いのでしょうか。1949年、「新日本の再建は我々青年の仕事である。更めて述べる迄もなく今日の日本の実情は極めて苦難に満ちている。この苦難を打開してゆくため採るべき途は先ず国内経済の充実であり、国際経済との密接なる提携である。」という覚悟のもと戦後の荒廃した時代から再び立ち上がるため、高い志を持った先輩方により日本の青年会議所運動は始まりました。多くの先輩方が新日本の再建という使命に燃えて困難に立ち向かい、仲間と共に汗を流し助け合い、青年会議所運動の火を絶やさなかったおかげで現在の私達は在ります。国難とも呼べる有事である今こそ、創始の志を胸に地域の将来を切り拓くための行動を起こす時ではないでしょうか。輪島は多くの財産に恵まれていると私は日頃から考えています。世界に誇る伝統産業輪島塗、日本三大朝市と呼ばれている輪島朝市、御陣乗太鼓に千枚田、鴨ヶ浦に総持寺祖院など、多くの文化や景勝地に恵まれ、また、そこで暮らす人々の生き方までを含めて能登の里山・里海は世界農業遺産に認定されています。しかし、私が考える輪島の本当の財産とは、この地に住み暮らしている「人」です。行政と民間が手を取り合ってこんなにも多くの事業を共催している地域が他にあるでしょうか。大きな祭りを実施するためにこんなにも多くの人々が時間と労力を費やす地域が他にあるでしょうか。輪島市民の根底には地域を盛り上げたいという大きな熱意があり、その熱意が市民を行動に駆り立てているのだと思います。そのような輪島市民の中でも特に能動的な若い市民が地域を良くするために相集い力を合わせ、58年間に渡って地域を牽引するリーダーを輩出し続けてきたのがJCI輪島です。職業も立場も年齢も違う会員同士が「明るい豊かな社会の実現」という目標を達成するために、議論をして意見をぶつけ合い事業を構築し、互いに助け合い尽くし合い事業を完遂し、次年度に向けての報告をしっかりと作成するというプロセスから得られる経験は、会員の成長、すなわち地域にとっての大きな財産である「人財」の育成に直結すると考えます。コロナ禍にあっては実施が難しい事業や制限が多いかもしれませんが、歩みを止めずに青年会議所運動・活動を続けることには大きな意義があり、私達の起こす行動には地域の人々の考え方や行動を変える力があると私は確信しています。先輩方の情熱と志を受け継ぎ、本年もJCI輪島は地域を盛り上げるべく運動・活動を展開して参ります。


【新型コロナウィルスによる生き方の変化】

 SARSやMERSとは違い、瞬く間にパンデミックと言われるほど世界中で流行した新型コロナウィルスの感染拡大により、私達の生活には大きな変化が訪れています。ITが大きく発展・普及し通信技術が進化した現代社会においても、ヒトは直接顔を合わせての接触型コミュニケーションを重んじてコミュニティを形成してきました。しかしながら、ウィズコロナの現在では人と人の物理的接触を回避するためにオンラインでの会議や授業が当たり前になり、テレワークやリモートワークのように働き方が多様化し、デリバリーやオンライン通販などのサービスが普及して、非接触型コミュニケーションが増加しました。いわゆる「新しい生活様式」が定着し、ヒトの生き方が大きく変化していると感じます。接触型コミュニケーションが減少したことにより、人と人の心の距離までもが分断され、精神的な孤独を感じる一方で、オンラインサービスの発展や5Gの普及により、様々なサービスや仕事、教育などが場所に関係なく提供できるようになるといったメリットも見られます。今の輪島市はコロナ禍において観光入込客数が大きく減少し、地域経済は大きな危機に直面しています。生き方の変化から生じているメリットやデメリットを客観的に分析し、ピンチをチャンスに変える運動・活動を推し進めることが地域活性化のための急務であると考えます。同様に地域の将来を担う子供達の生活環境にも大きな変化が及んでいます。友達と外で遊ぶ時間は以前にも増して減少し、運動不足・体力低下やストレスの増加が問題になっている一方で、IT教育・ICT教育が急加速で進み、オンライン塾・習い事の普及による教育の地域格差解消や、オンラインゲームで遠くの友達と自宅で遊べる等、メリットとデメリットが混在している状況です。急速に大きく生活環境が変化するこの時代でも、子供達が取り残されることなく健全に成長できる環境を、私達が考え提供する必要があるのではないでしょうか。

 私はポストコロナを想像した時、何もかもがコロナ前の生活と同じに戻るとは思えません。それは先に述べた通り、私達の生き方は新型コロナウィルスの影響により大きく変化していますが、その変化には様々なメリットとデメリットが混在しているのが現実であるからです。私達Jayceeは、コロナ禍によって中止に追い込まれてしまうような、コロナのない世界、すなわち過去にすがるような事業を計画している場合ではないのです。地域の現状をしっかりと分析し、ポストコロナを見据えたうえで今を生きる人々の力になれるような事業を展開していくべきなのです。JCI輪島が長年に渡って取り組んできた、ひとづくり、まちづくりについても同様です。世界中が苦しんでいる今だからこそ、今しかできない事業を展開する必要があるのです。


【JCI輪島の在り方】

「JCしかない時代からJCもある時代へ」と言われて久しくなりますが、その言葉を立証するかのようにJCI輪島だけでなく全国のLOMで会員数の減少が大きな問題になっています。会員減少の原因とは何なのでしょうか。JCに魅力がないからでしょうか。JCに入っても何も変わらないからでしょうか。そうではありません。JCには多くの魅力があり、会員は経験を積み成長し、JCにしかできない運動・活動を長年に渡って展開してきたはずです。では誘い方が悪いのでしょうか。それも違うでしょう。足を使い時間を使い、手法を学び多くの候補者を訪問し一生懸命、魅力を伝えてきたはずです。それでは何が悪いのでしょうか。私は、活動の魅力や入会することで得られるメリットを伝えることに注力してしまい、JC運動・活動の原動力である「楽しさ」が伝わっていないことが原因だと思います。では楽しさはどのようにすれば伝わるでしょうか。電話やメールで、あるいは対面して「これがJCの楽しさです。」とどれだけ説明しても楽しさが伝わることはないでしょう。なぜならば、「JCの楽しさ」とは共に活動することでしか伝えることができないからです。しかし、共に活動をしなくても候補者に「楽しそう」と思わせることはできるはずです。JCI輪島メンバー一人ひとりがJC運動・活動を心から楽しみ、堂々と発信することができていれば、それを見た人から「楽しそうだ。羨ましい。一緒にやりたい。」と思って頂けるのではないでしょうか。会員の減少に歯止めをかけるためにも、メンバー全員で力いっぱいJCI輪島の運動・活動を楽しみましょう。そして多くの人々に私達の運動・活動を堂々と発信しましょう。

「楽しさ」の根源には必ず「面白さ」があります。誰からも興味を示されない、面白くないことをどれだけやっても、他者から評価をされることはありませんし、そこから楽しさを得ることはできません。逆に面白い運動・活動に人は惹きつけられ、大きなムーブメントを巻き起こし、実施に携わる人間は多くの経験や知識を身につけ、楽しさを得ることができるのです。展開する一つ一つの運動・活動に対して、何が面白いのか、なぜ面白いのか、どうすれば面白いのかを追求し、地域にとっても参加者から見ても面白い事業をメンバー全員で考えましょう。コロナ禍ではやり方や手法は限定されるかもしれませんが、地域のために頭を抱えて汗を流すという私達の組織の在り方は不変です。JCI輪島のアイデアとユーモアを結集した面白い事業を構築・実施すると共に、面白い人財を育成してJCI輪島を面白い組織に、輪島市を面白いまちにしましょう。


【広域連携について】

青年会議所は「修練・奉仕・友情」の三信条のもと、明るい豊かな社会の実現を目指して活動している団体です。また、JCの魅力の一つとして、仲間同士の友情や、全国規模の人間関係が構築できることを挙げる人は多いと思います。同じLOMの中で限られたメンバーと活動し深い人間関係を築くことは大切ですが、LOMの活動だけでは未知の世界に飛び込み、広い人間関係を築き上げることは困難です。会員数が減少傾向にあるJCI輪島にとって出向とは、人間関係を大きく広げるチャンスであり、LOMでは味わえない経験をすることができる大きな成長の機会なのです。日本青年会議所・北陸信越地区協議会・石川ブロック協議会と様々な出向がありますが、本年、石川ブロック協議会にJCI輪島から稲垣健君が会長として出向いたします。出向したメンバーが、安心して多くの経験を積み成長できるよう、石川ブロック協議会としっかり連携し出向者のサポートに尽力します。また、2019年いしかわコンファレンスin輪島にて、石川県内9つの青年会議所が率先して広域連携に取組み、青年会議所間で共同事業の実施に対して積極的に相互協力を行うことを決め、「広域連携推進宣言書」に調印しました。石川ブロックとの繋がりをより強固なものとし、広域連携の推進に努めて参ります。

おく能登3LOM委員会、のと5LOM委員会は地域の広域連携や会員同士の交流を目的として発足し、LOMの垣根を超えた活動を展開しています。過疎化や少子高齢化、人口流出といった多くの課題を各市町村が抱える能登地域において、地域の枠を飛び越えた広域連携の運動は問題解決の糸口になると考えます。各地域の抱える課題や成功事例を共有し、LOM同士の絆をより一層深め、能登地域全体がより発展することができるよう活動に取り組んで参ります。


【SDGsの推進】

SDGsは2015年9月、持続可能な世界を実現するために国連サミットで採択され、2015年にJCI世界会議金沢大会において金沢宣言が採択されて以降、日本の青年会議所はSDGsを率先して推進してきました。昨今では自治体、企業、教育などあらゆる分野でSDGs達成のための取組が成され、一つのトレンドになっています。消滅可能性都市に指定されている輪島市が存続し続けるためにも、持続可能な社会を目指すSDGs達成に向けて官民が一体となって取り組む必要があります。JCI輪島としてもSDGsは身近なものと捉え、持続可能な地域を実現するために積極的に推進して参ります。


【結びに】

 JCIミッションにある通りJCはあなたに発展と成長の機会を提供してくれます。成功と成長の確約はできませんが、その機会を自らつかみに行けば必ず多くの経験をすることができます。機会に対してどのように向き合うか、積み上げた経験をどのように自分の行動に落とし込むかが成長できるかどうかの別れ道です。青年会議所に入会して私が成長できたのかどうかはわかりませんが、地域や他者を思う気持ちは年を経る毎に大きくなっていると断言できます。自分の成長のために入会した青年が、青少年育成や地域活性化に取り組む中で仲間のために行動し、組織のために役職を務め職務を全うし、地域や他者といった公共のために運動を起こす人間に変貌する。この変化を成長と呼ぶかどうかは人それぞれかもしれませんが、人を変貌させる力がJCにはありますし、私を変えてくれたJCや仲間、そして支え続けてくれた家族には本当に感謝をしています。感謝の気持ちを胸に、愛する輪島の未来が明るく豊かなものになるように(一社)輪島青年会議所第58代理事長として、率先して行動して参りますので、変わらぬご協力と、より一層のご指導ご鞭撻の程よろしくお願い申し上げます。


一年後、多くの人々が口にしています。


「輪島のJCは面白い。」


「輪島のJayceeは面白い。」


「私達の住む輪島は面白い。」


 大きな試練が訪れても、共に楽しみ、共に助け合う仲間がいます。自分達の運動に自信を持ちましょう。自分達の活動に誇りを持ちましょう。そして胸を張って言いましょう。「私達は輪島のために行動している」と。